あきひこのいいたいほうだい

いいたいほうだいってほど、いいたいほうだいにいえるわけじゃないけど、おりおりにかんじたこと、感心したことなんかをかいていくよ

げきからの料理人

「つねにひとをねぶみ」。「露骨に冷遇」。「政権のきめた政策にはんたいする省庁幹部は異動してもらう」。

『げきからの料理人』っていう記事に、菅義偉総理大臣のやりかたについてこんなふうにかいてあった。まあ、かんたんにいうと恐怖政治だ。

しぜん、官邸からにらまれたり、人事でとばされたりすることをおそれて、役人は政策の問題点や課題を官邸にあげんくなっとるとのこと。

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行友弥の食農再論
げきからの料理人

安倍晋三一強政治がついにおわり、菅義偉新政権が発足した。安倍晋三前総理の辞意表明まで菅義偉氏は「自民党総裁選への出馬はまったくかんがえてない」と否定しつづけたが、じっさいははやくから「ポスト安倍晋三」に布石をうっとった。おおくのメディアがほう報じとるが、岸田派、石破派をのぞく自民党の主要派閥があしなみをそろえた結果をみてもあきらかだ。

横浜で記者をしとった22年まえ、まだ衆院1期めだった菅義偉氏に選挙情勢などをきいたことがある。取材対応はていねいで、情報収集力のたかさや分析のするどさにも感服した。半面、じぶんのほんねはみせず、つねにひとを「ねぶみ」しとるような冷徹さもかんじだ。

本社経済部のデスク時代には、部下の総務省担当記者がぐちをこぼしとった。菅義偉総務大臣(当時)は地方視察に同行取材するような熱心な記者には、おいしい「ねた」をくれるが、ほうでない記者は露骨に冷遇する傾向があった。

2014年に「ふるさと納税」の上限額倍増をめぐって菅義偉官房長官(当時)と対立した8か月あと、総務省自治税務局長から自治大学校校長に転出した平島彰英氏(現立教大学特任教授)は2020年9月12日づけの朝日新聞のインタビューでこうかたっとる。「『官邸からにらまれる』『人事でとばされる』とおおくの役人は恐怖をかんじ、政策の問題点や課題を官邸にあげんくなっとる」。菅義偉氏本人は2020年9月13日のフジテレビのばんぐみで、政権のきめた政策にはんたいする省庁幹部は「異動してもらう」といいきった。

菅義偉氏は秋田県の農家にうまれ、高卒で上京した。苦学して大学をでたというが、実家はいちご栽培で成功し裕福だったようだ。上京は農業をつぐのがいやだったからで、文字どおり「貧農」のいえにそだった田中角栄もと総理とはちがう。農業や地方へのおもいいれをかたる菅義偉氏だが、平島彰英氏は「根底には新自由主義的な発想があるとかんじる。競争を重視しすぎるあまり、弱者へのまなざしがかんじれん」と評する。

菅義偉氏が信奉するというマキャベリは『君主論』でこういっとる。「(君主は)愛されるよりおそれられるほうが、はるかに安全である」(池田廉訳)。さけはいってきものまん大のあまとうという菅義偉氏だが、つくるのはげきから料理かもしれん。
農林中金総合研究所特任研究員)

日本農民新聞 - 行友弥の食農再論『げきからの料理人』 970-1310

〔2020年9月25日 - 日本農民新聞〕

(さんこう)