小島慶子さんがおもしろいこといっとる。
かねて「女子アナ」っていう職業がなくなやいいっておもっとる小島です。すべてのはたらく女性は、「女子アナ的」ともいえます。しごとに必要な能力以外に、女性としてのやくわりをもとめられるです。おとこなみにはたらけよ、でもおとこよりはでしゃばるなとか、女子力はたかめになとか。はたらきばちとよろこびぐみを同時にやれって? ぶすとかでぶとかいじられてもわらってうけながせって? 性的いやがらせにめくじらたてるのはやぼだって?
最新の「すきな女性アナウンサーばんづけ」では庶民的で実績のあるひとが上位に位置しとって、とにかくわかくて美人がいいってされとったころと時代がかわったってされております。けれど重視されとるのは、あいかわらず「ひかえめ、でしゃばらん、いやし、かわいい」などの要素。実力と実績はあっても伝統的な女性のおてほんをはたしてないと評価されんですね。
いっぽうで、さいきんのミスコン参加者はがちの女子アナねらいからおもいでづくりにかわっとるとか。かしこい女性は、いいかげんきづいたのかも。高給とりでも、一生だれかの理想のおんなを演じにゃいかんのはばかげとるって。酒井順子さんのいう「男尊女子」をやりたいのなら、べつだけど。
△ 小島慶子さん - 男尊女子(プレーボーイ - 2017年12月25日号)
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いや~、おとこのためだけでしかない「ひかえめでかわいいおんな」なんかやっとれるか!ってことだね。うん、たしかに、フジテレビとか日本テレビのおんなのアナウンサーは「ひかえめでかわいいおんな」をやっとるきがするよ。
- 小島慶子(こじまけいこ)さん
- タレント、随筆家。テレビ、ラジオ出演や執筆、講演と多彩に活動する、にほんとオーストラリアの往復生活。近著に『ホライズン』(文芸春秋)『るるらいらい日豪往復出稼ぎ日記』(講談社)など。
- 小島のひとりごと
- 抑制的な局アナのすがたは、会社員の分をもわきまえろっていわれつつ個性をのばせともいわれるむちゃぶりになやむ、おおくのサラリーマンにとってみぢかなのかも。逸脱もまたほの範囲でっていうびみょうなさじかげんがもとめられます。