あきひこのいいたいほうだい

いいたいほうだいってほどいいたいほうだいにいえるわけじゃないけど、おりおりにかんじたこと、かんしんしたことなんかをかいていくよ

とうげさんきちげんばくししゅう - しぬ

しぬ

なきさけぶみみのおくのこえ
おともなくふくれあがり
とびかかってきた
はげしいいじょうさのくうかん
たちこめたじんえんの
きなくさいはためきのあいだを
はしりくるうかげ

(あ にげられる)
はねおきるこしから
くずれちるれんがくずの
からだがもえている
せなかからつきたおした
ねっぷうがそででかたでひになって

けむりのなかにつかむ
すいそうのこんくりひとかど
みずのなかに
もうあたまみずをかけるいふくが
こげちってない
でんせんざいもくくぎがらすへん
なみうつかわらのかべ
つめがもえかかとがとれ
せなかにはりついたなまりのようばん

(う・う・う・う)
すでにひくろく
でんちゅうもかべつちもわれたあたまにふきこむ
ひとけむりのうず

(ひろちゃん ひろちゃん)
おさえるちちが
あ けつめんのあな
たおれたまま
――おまえおまえおまえはどこ
はらばいいざるけむりのなかに
どこからあらわれたか
てとてをつなぎ
ぼんおどりのぐるぐるまわりをつづける
はだかのむすめたち

つまずきたおれるわの
かわらのしたからまたもかた
かみのないろうばの
ねっきにあぶりだされ
のたうつかんだかいさけび
もうゆれるほのおのみちばた
たいこのはらをふくらせ
くちびるまでめくれたあかいにくかいたち

あしくびをつかむずるりとむけたて
ころがっためでさけぶしろくにえたくび
てでふんだもうはつ、のうしょう
むしこめるけむり、ぶっつかるひのかぜ
はじけるひのこのやみで
きんいろのこどものひとみ
もえるからだ
やけるのど
どっとくずおれて
うで めりこんで かた
おお もう すすめぬ

くらいひとりのそこ
こめかみのごうおんがきゅうにとおのき
ああ どうしたこと
どうしてわたしはみちばたのこんなところで
おまえからもはなれ
し、しなねばならぬか

【もくじ】
【とうげさんきちげんばくししゅう】