フランスでやせすぎ禁止法っていう法律ができたげな。紹介まで。
- 【三井美奈の国際情報ファイル】フランスで「激やせモデル」禁止法が開始! - やせとることはうつくしくない時代がくるのか? - 産経ニュース(外信部編集委員=三井美奈さん)|2017.6.3 19:00
- フランスで2017年5月5日、ファッション業界に「激やせモデル」の起用を禁じる政令が施行された。「やせていることは美しい」という既成概念に歯止めをかけ、拒食症の広がりを防ぐ狙いがある。
- 政令は、昨年2016年の健康法改正に伴って制定された。モデルは医師の診断書を提示し、肥満度を示す体格指数(BMI)が低すぎず、健康だという証明が義務づけられる。診断書は2年間有効。モデル事務所が違反モデルを採用した場合、最高6年の禁錮、および7万5千ユーロ(850万円)の罰金刑が科せられる。
- また、同時に交付された政令で、今年2017年10月以降、モデルの体を細く見せるなど修正加工を施した商業用写真には「補正写真」という表示が義務付けられた。2つの政令は、フランスだけでなく欧州連合(EU)域内で適用される。
- フランス誌レキスプレス(電子版)は、「政令は長く待望されていた」と評価した。イタリアやイスラエル、ベルギーなどではすでに、やせすぎモデル起用を禁ずる措置がとられていることを紹介し、ファッションの都フランスで規制が遅れていたと指摘した。
- 政府が規制に踏み切ったのは、モデル体形をめざす女性の「やせ願望」が広がり、摂食障害が深刻化しているためだ。同誌によると、フランスでは若い女性60万人が何らかの摂食障害を抱えており、このうち拒食症患者は4万人。15~24才の死因では、交通事故に次いで2位となっている。
- 規制導入には業界の抵抗が強かった。当初国会に提出された法案は、モデルのBMI下限値を定めていたが、最終的に数値表記は見送られた。同誌のインタビューに登場したカメラマンは、「法は特効薬にはならない。洋服はやせた体の方が美しく見え、よく売れることに変わりはない」と発言。真の問題解決には「われわれの社会で『何が美しいか』という基準を変えること」が必要だと訴えた。
- 業界の強い抵抗については、大衆紙パリジャンも「いくつかの大手モデル事務所に取材を申し込んだが、すべて断られた」と伝えたほど。同紙は、法制定に努力した国民議会(下院)議員の「ファッション業界を説得するのは大変だ。それでもこの規制が意識改革につながると期待する」という声も伝えた。
- フランスでの規制導入には、世界のファッション業界が注目した。アメリカ紙ニューヨーク・タイムズは「若いモデルの多くはパリでキャリアを始めるため、罰則付き規制の影響は非常に大きい」と評価した。ただ、雑誌や新聞のカット写真は「修正写真」の表示義務から除外されるなど抜け穴は多く、「モデルにやせ体形を強いる圧力は和らぎそうにない」と指摘した。
- 日本でも芸能人の「激やせ」が時々指摘される。フランスの試みが「健康体こそ美しい」という意識改革につながるかどうか。判断には時間がかかりそうだ。
- フランスで2017年5月5日、ファッション業界に「激やせモデル」の起用を禁じる政令が施行された。「やせていることは美しい」という既成概念に歯止めをかけ、拒食症の広がりを防ぐ狙いがある。