塀のなか、アイドルの熱意 - 富山刑務所で
- 「受刑者のアイドル」ってよばれるおんなのこのふたりぐみ「Paix2(ペペ)」が2015年2月にじゅうよっか、富山刑務所で公演した。全国の刑務所でひらく「プリズンコンサート」は、360回め。ふたりの熱意に、受刑者からは「はやく塀のそとにでてCDをかうことで、ふたりのきもちにこたえたい」とのこえもきかれた。
- 短髪のおとこばかりがいならぶ体育館。舞台のうえでペペのふたりがうたいはじめると、受刑者290人はてをひざにおいたままじっとふたりをみつめた。
- 「おはようございます」
「…」 - ふたりのよびかけにも、かってにこえをだせん受刑者の反応はにぶい。
- ペペのふたりが「あいさつだけかえしてもらうのはだいじょうぶでしょうか」って刑務所長に許可をもとめると、ようやく体育館にのぶといあいさつがひびいた。
- 鳥取県出身の北尾真奈美さん37才と井勝めぐみさん39才。2002年から刑務所コンサートをつづけるふたりには、刑務所でのコンサート進行はなれたもの。「拍手でこたえてくださいね。ペペをなんかいもみたっていうかた?」…会場からの拍手に、井勝めぐみさんが「はやく社会にかえってくださいよ」ってこたえ、はげました。
- 3曲めはさだまさしさんの「いのちの理由」だ。しんみりとしたうたごえに、めをとじてじっとききいるひと、てで拍子をとるひと、ほんでめがしらをおさえるひと。
- アップテンポの曲には、受刑者がうでをふりあげ「フー!フー!」の歓声まであがった。「いっしょにこぶしをつきあげて」「やらんと指示違反でチェックされるよ」とペペ。“刑務所ジョーク”に受刑者たちからわらいがこぼれた。
- もりあがった会場は、受刑者のむすめのてがみを紹介するひとまくで一転した。「家族としてちちのつみをいっしょにせおっていかにゃ」…塀のなかにおるちちをまつ家族のおもいにふれ、会場后方におった受刑者はりょうてでなみだをぬぐった。
- 「被害者をおもうと、受刑者をなぐさめる『慰問』とはよべん。きいたひとに、なんでここにおるのかかんがえてほしい」って北尾真奈美さん。井勝めぐみさんは「受刑者と塀のそとで再会したとき、つづけてきたことがまちがいなかったっておもえた」ってはなした。
- (ねたもと)
- 塀のなか、アイドルの熱意 - 富山刑務所で「ペペ」コンサート:富山:中日新聞(CHUNICHI Web)(豊田直也さん)|2015年2月25日
(※ ユーチューブはこの記事にあったものではなく、あきひこのいいたいほうだいの筆者がはりつけたもの)
(さんこう)