おきをふねがいく。
なみしぶきがあがる。
はまべにひとびとがあそぶ。
天女がまう。
むかしむかし、三保に伯良(はくりょう)っていう漁師がおりました。あるひのこと、伯良がまつのえだにかかっとるうつくしいころもをみつけてもちかえらあってすると、天女があらわれていいました。「ほれは天人のはごろもです。どうかおかえしください」
ところが伯良は「天人のはごろもなら、おかえしはできません」っていいました。
すると天女は「ほのはごろもがないと天にかえることができません」っていって懇願しました。
伯良は天上のまいをまうことを約束にはごろもをかえしました。天女はよろこんで三保のはるげしきのなか、はごろもをまとってまいながら、富士のやまにそって天にのぼっていきました。
(123) 三保松原 - いしぶみ(くに指定名勝三保松原はごろものまつ)
三保松原にこころあらわれる。