あきひこのいいたいほうだい

いいたいほうだいってほどいいたいほうだいにいえるわけじゃないけど、おりおりにかんじたこと、かんしんしたことなんかをかいていくよ

じぶんのくにのことはたなにあげといて

こんな記事をみた。

中韓だけじゃない自国たなあげ - 国連人権理事会は学級会レベル?

国連人権理事会で2017年11月、定例の対日作業部会が行われた。国連に加盟するほかの192カ国が、日本の人権について何を言ってもよい場だ。中韓慰安婦問題で日本を突き上げ、ヨーロッパがこぞって死刑廃止を要求するのは相変わらず。びっくり発言はほかにあった。

たとえばロシア。「日本で『報道の自由』が危ういと懸念している。包括的対策をとれ」とのたまうのには耳を疑った。ロシアでは人権侵害を暴いた記者や活動家の暗殺、新聞社への脅迫が相次ぐ。自国のことは「棚上げ」も甚だしい。

サウジアラビアからの勧告は「人種差別に基づくヘイトスピーチへの対策」だった。結社や発言の自由すらない国に言われてもなあ、という気持ちになる。

日本だけが理不尽な批判を受ける訳ではない。韓国の人権審査では、もっと驚いた。なんと北朝鮮拉致問題を提起した。

北の主張は、「韓国が12人の女性を拉致したのは、人権侵害。即刻帰国させろ」というもの。昨年2016年4月、北朝鮮が外貨稼ぎのため中国浙江省寧波に開いたレストランから女性従業員12人が脱走し、韓国に集団亡命した事件への抗議だ。

韓国政府は朝鮮戦争の休戦後、500人以上が北に拉致されたとしている。北の主張に代表団は怒り心頭だったろうが、「留意する」と冷静に応じた。外交用語で「勝手に言ってろ」という意味だ。

人権理事会は、4~5年おきに加盟国の人権状況を審査する。各国が審査で行った「勧告」は、そのまま暫定報告書に列記される。人権問題を抱える中国やロシアの批判が多分に政治的意図をはらんでいても、公式文書として残るわけだ。アメリカ報道によると、トランプアメリカ大統領はユネスコに続いて人権理事会脱退を検討中とか。「こんな審査に意味はない。やめてもよい」という批判は理解できる。

3時間続いた対日審査を見ていて、思い出したのは中学時代の学級会。不良も優等生も、貧しい家庭の子も金持ちの子も互いに思ったことを言い合う場だ。優等生が理不尽な批判に対し、感情的に反発すれば「短気な奴」とみんなに思われて、逆に損をする。批判をうまく受け止めて、言うべきことをアピールすれば、「できるな」と思われて教室内の発言権をグンとあげることになる。

人権理事会で言えば、批判を「留意」しながら、真意をみんなに伝える。事前にうまく根回しして、会議をこちらのペースに引き寄せる。これが日本がめざすべき国連外交ではないかと思う。対日作業部会で政府代表の岡村善文・人権担当大使が慰安婦について「強制連行とはどんな公文書でも書かれていない。性奴隷ではない」と主張したのはよかった。人権理事会の前身、人権委員会は1996年、クマラスワミ報告が提出され、「性奴隷」のレッテルを世界に広げる契機になった場だからだ。

ただ、日本は「外交相手を刺激するのはまずい」という意識が強く、みんなが集まる場できちんと批判しない。しかし、その立ち居振る舞いは、ほかの国の対日評価につながることも忘れるべきではない。

各国の姿勢が問われたのは4年前の中国審査だ。ノーベル平和賞を受賞した民主活動家、劉暁波氏(今年2017年7月死亡)の軟禁について、アメリカは「即時に解放を」と追及した。スヱーデンはウイグルチベットへの人権侵害のほか、不当な行政拘禁が行われていると批判した。

対中接近のさなかだったイギリスやドイツの批判は生ぬるく、シリアやミャンマーなど親中国は「お手盛り」の賛辞一色。報告書を見る限り、日本の勧告は「少数民族の権利を守れ」で、あまり踏み込んでいない。

もちろん、中国は200を超える勧告も馬耳東風で変化は望めない。だが、日本はアジアの代表的な民主主義国として、批判すべきは批判しなければ、アメリカヨーロッパから「人権を二の次にする国」という印象を持たれる。慰安婦問題の主張も「この国では、さもありなん」と思われ、信用してもらえないかもしれない。

日本のテレビでよく見る国連外交といえば、ニューヨークの安全保障理事会だろう。日本は常任理事国で同盟国のアメリカとたいてい共同歩調をとり、「試される」場は少ない。だが、最近はヨーロッパのユネスコ、人権理事会がアジア外交の主戦場の一つとなりつつある。中韓が歴史をめぐる「日本突き上げ」の場とするようになったからだ。ここではアメリカは頼れない。日本はどう攻めるべきか。「勝手に言わせておけばよい」では、事情の分からないクラスメートたちは相手の主張を鵜呑みにしてしまう。対抗するには戦略が必要だ。

今回の対日審査で、期せずしてアピールしたのは、日本の統率された「官僚力」。作業部会には、各省庁から20人近い代表団が派遣された。ほかの国からの批判に対し、担当部局の役人が次々に説明する様子はまるでテレビの国会答弁を見ているようだった。

水も漏らさぬ日本の官僚組織。驚き、うらやましく思った国もあったはず。世界には政府がロクに機能しない国がたくさんあるのだから。(パリ支局長)

国連人権理事会
国連総会の下部組織のひとつ。加盟国の人権状況改善や、人権分野での国際法の発展などが目的。2006年に人権委員会を改組・格上げする形で発足した。作業部会での審査やそれを受けた総会への勧告権限のほか、テーマごとに特別報告者を任命するなどの特別措置を取ることも認められている。

いや、ほんと、にほんって、外国のいうことにおどおどしすぎなだて。いっとるほうは、じぶんのくにのことをたなにあげて、すきかってにいっとるだけなだて。まっとはなしはんぶんにきかにゃ。


(さんこう)