あきひこのいいたいほうだい

いいたいほうだいってほどいいたいほうだいにいえるわけじゃないけど、おりおりにかんじたこと、かんしんしたことなんかをかいていくよ

炎天下の甲子園みるのやめた

危険なあつさがつづくなかで高校生に野球やらせる甲子園大会ってなんだ。みやみとったでおもしろいだけど、やっぱり異常だ。ことしはいっさいみるのをやめた。

  • 【iRONNA発】なつの甲子園、なぜ「炎天下」の開催にこだわるのか - 「言行不一致」主催・朝日のぎまん - 産経ニュース|2018.8.5 17:00
    • 「運動部のみんな、熱中症『無理』『もうダメだ』の勇気を」。こんな見出しのコラムが朝日新聞に掲載され、ネットで炎上した。「災害級」とも言われる猛暑の夏。誰がための高校野球なのか。
    • リモコン片手にパチパチしていた私のカミさんが、全国高校野球の予選試合の中継に目を留めて、こうつぶやいた。
      「この猛暑に、何で試合をやらせるのかしらねぇ」
      「夏は高校球児の甲子園」と、思い込んでいた私は目からウロコである。私は空手道場もやっており、稽古は夕方から週3回ある。大人を対象とした夜の部はともかく、子供の稽古時間はまだまだ猛暑とあって、稽古が始まる2時間前から2台のエアコンと4台の扇風機をフル稼働。熱中症に神経をとがらせている。
      なにせプールに浸かっていてさえ熱中症になるのだから、文字通り「命にかかわる危険な暑さ」である。メディアがこぞって注意喚起するのは、その責務からして当然である。
    • 言行不一致
      ところが、この炎天下に「夏の甲子園」が開催される。炎天下で行う試合そのものもさることながら、主催者たる朝日新聞熱中症の危険を紙面で喚起しつつ、その一方で夏の甲子園を開催するという神経が、私には信じられないのである。
      「ためらうことなく冷房を入れてください」という呼びかけがテレビで流れるたびに、「電気代はただじゃないわよ」と、カミさんは主婦感覚で口をとがらせていた。「冷房を入れろ、電気代は自分持ち」と言われたのでは、余計なお世話と腹立たしくもなるだろう。
      ところが、九州電力熱中症予防のため、高令世帯の電気料金割引に踏み切った。「猛暑が続く中で、迅速に対応したいと導入した。冷房や扇風機を積極的に使っていただき、熱中症を予防してもらいたい」とコメントしており、これを「言行一致」と言う。
      それに引き換え、朝日新聞はどうだ。「モリカケ問題」では、重箱の隅にまで目を光らせた同紙が、もし「言行不一致」を承知で、自社が主催する「炎天下の甲子園」に目をつぶるとしたら、メディアとして自殺行為と言っていいだろう。
      新聞社も企業だ。利益を出さなければ存続はできない。だから夏の甲子園朝日新聞にとって営業政策上、大きな意味を持つのは分かる。しかし、どんな営業政策を講じようとも、新聞にとっての生命線は「読者の信頼」である。「読者の信頼」こそが企業を発展させ、オピニオンリーダーとして影響力を発揮する。
      言い換えれば、「言行不一致」こそ最大のリスクとなり、このことを考えれば、おのずと処し方は決まってくる。
    • 暑さの質
      炎天下でプレーすることの危険性については、日本高野連も認識しているようだ。昨年2018年5月、当の朝日新聞は「スポーツと熱中症」と題したシンポジウムを開催したが、基調講演した日本高野連の八田英二会長は、こう述べている。
      「夏の大会については確かに、こんな暑い中で子供にスポーツをさせていいのかという厳しいご批判はいただいております。しかし、注意深く対策を立てながら運営すれば、安全に開催することはできると信じています」
      厳しい批判を受けながら、なぜ「炎天下」の開催にこだわるのか私には理解できない。朝日新聞主催のシンポジウムということで、忖度(そんたく)しての発言ではないかと勘ぐりたくもなるだろう。人命に優先する大義など、あるわけがないのだ。
      夏の甲子園は今大会で100回目という大きな節目を迎える。「暑さの質」が変わったとされる時代に、主催者の朝日新聞はこれからどう対処するのか。あってはならないことだが、熱中症で人命にかかわる事故が開催中に起きたら、誰が責任を取るのか。
      朝日新聞がこのまま「炎天下の甲子園」に目をつぶって開催を継続するなら、熱中症対策を喚起する報道姿勢はぎまんと言われても仕方あるまい。
    • iRONNAは、産経新聞と複数の出版社が提携し、雑誌記事や評論家らの論考、著名ブロガーの記事などを集めた本格派オピニオンサイトです。各媒体の名物編集長らが参加し、タブーを恐れない鋭い視点の特集テーマを日替わりで掲載。ぜひ、「いろんな」で検索してください。
    • 【プロフィル】向谷匡史
      むかいだにただし/作家。1950年、広島県呉市生まれ。拓殖大卒。週刊誌記者などを経て、作家、ジャーナリストとして活動。浄土真宗本願寺派僧侶や保護司、日本空手道「昇空館」館長なども務める。著書に『田中角栄 - 相手の心をつかむ「人たらし」金銭哲学』(双葉社)ほか多数。

(さんこう)