南吉がうまれて102年の2015年7月30日、あんじょうえきまえにおぢいさんのランプのいしぶみが設置された。
おぢいさんのランプ
かくれんぼで、倉の隅にもぐりこんだ東一君がランプを持って出て来た。
それは珍しい形のランプであった。八十糎(センチ)ぐらゐの太い竹の筒が臺(台)になってゐて、その上にちょっぴり火のともる部分がくっついてゐる。そしてほやは細いガラスの筒であった。はじめて見るものにはランプとは思へないほどだった。
そこでみんなは、昔の鉄砲とまちがへてしまった。
「何だア、鉄砲かア」と鬼の宗八君はいった。
東一君のおぢいさんも、しばらくそれが何だかわからなかった。眼鏡越しにじっと見てゐてから、はじめてわかったのである。
ランプであることがわかると、東一君のおぢいさんはかういって子供達を叱りはじめた。
「こらこら、お前達は何を持出すか。まことに子供といふものは、黙って遊ばせておけば何を持出すやらわけのわからん、油断もすきもない、ぬすっと猫のやうなものだ。こらこら、それはここへ持って来て、お前達は外へ行って遊んで来い。外に行けば、電信柱でも何でも遊ぶものはいくらでもあるに。」
かうして叱られると子供ははじめて、自分がよくない行ひをしたことがわかるの・・・
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いしぶみのおひろめするについては除幕式がとりおこなわれ、あわせて南吉誕生祭がくりひろげられた。
△ うえ2枚=看板娘。 (ひだり) (みぎ)
△ したひだり=司会ののだゆきさん、したみぎ=あんじょうたなばた親善大使
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(さんこう)